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高木典利展
高木典利展
ご挨拶

明治20年に先代が創業して以来、私自身がやきものを生業として45年になります。長年陶磁器研究に努めてまいりました研究成果の発表の場として、このたび「再興志野・織部展」をギャラリーマスガの増賀睦朗社長の計らいで開催の運びとなりました。皆様方にはご高覧とご批評を賜りたく、よろしくお願い申し上げる次第です。
高 木 典 利

桃山文化の器について

 天正2年(1600)、織田信長から自由に窯を焼くことを許された陶工たちが、その朱印状を携えて瀬戸から美濃の地に移り住みました。高度な技術を持った陶工たちが新天地の美濃で、京や大阪の堺など「茶の湯」の流行に合わせるようにして、次々と新しい焼き物を作りました。
 なかでも志野・織部は、日本の陶磁器の歴史のなかで、絵筆によって絵付けが施された最初の陶磁器でした。当時流行した文化や時代の文様を、絵筆によって表現し、瞬く間に都の文化人たちの間に浸透。そこには「茶の湯」という、大きな文化の流れがあり、一方では生活の器としても盛んに用いられたのです。こうした需要に応えた志野や織部の焼き物は、当時の文化に大きな影響を与えながら、新たな作風を生んで隆盛していきました。
高木典利展
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