書も陶器も日本人は生活の中に巧みに取り込んで潤いをもたらし、元気づけ、美的味わいの心を高揚させてきました。 この度の二人のコラボレーションは見事に響きあって詩的な雰囲気を醸し出しています。観客もまた作品と一体になるような展覧会を開きたいというのが夢でした。覗いてみるだけでも楽しさを実感していただけるのではないかと思います。
今 千春さんは信楽焼の第一人者・辻清明に師事し、独立して生地長岡に「木火窯」を築窯し、漆交茶道美術部門や光風会等で受賞を重ねてきました。新潟沖地震では二度に渡り打ち砕かれた窯を再建して各地で個展を開き注目を集めてきました。
齋藤 隆さんは東京生まれですが、各地の辺境の地を好んでそこに住み、絵を描き書も酒も自然を師として愛し、時流にに溺れず、本当の自分を透徹して生きる生き方を貫いてきました。
今回、この粋人二人の展覧会は肩の力を抜いて気楽にご覧いただいてこそ、楽しさをお持ち帰りいただけると思っています。 どうぞお気軽に足をお運びください。
増賀睦朗 |